陸上自衛隊の「大東亜戦争」呼称にイチャモンをつける朝日新聞 文脈も文意も無視した言葉狩りをやめろ!
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 Published On Apr 10, 2024

陸上自衛隊大宮駐屯地(さいたま市)の第32普通科連隊がX(旧ツイッター)の舞台の公式アカウントで戦没者追悼式を紹介する投稿に「大東亜戦争」の呼称を使った、として朝日新聞が8日、「侵略戦争を正当化する用語だ」などと議論を呼んでいるとして取り上げ、第32普通科連隊は8日夜、この投稿を取り消したのです。
 第32普通科連隊のXの投稿にはこうあります。
 「32連隊の隊員が、大東亜戦争最大の激戦地、硫黄島において開催された日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式に旗衛隊として参加しました。
 慎んで祖国のために尊い命を捧げた
 日米双方の英霊のご冥福をお祈りします」
 これが全文です。どこが侵略戦争を美化しているのでしょうか? 
 「大東亜戦争」は1941(昭和16)年12月の日米開戦直後、当時の東條英機内閣が閣議決定した呼称です。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が使用を禁じ、「太平洋戦争」という呼称が日本に広まったものです。
 東京新聞は「大東亜戦争投稿 自衛隊の歴史観を憂う」と題した社説を10日朝刊で掲載しました。
 「太平洋戦争」の表現が定着したのは、破滅的な敗戦につながったアジアへの侵略と植民地支配を戦後、幅広い日本国民が反省したからに他ならない、とし、陸自部隊が公式アカウントで、一時的とはいえ「聖戦思想」を疑われかねない投稿は深刻である。
と書いています。そうでしょうか? Xの投稿のどこに「聖戦思想」があるのでしょうか?
 一方、産経新聞も10日朝刊で社説を掲載しました。こちらはこう書いています。
 「大東亜戦争 言葉狩りを朝日は恥じよ」
 連合国は確かに1945(昭和20)年12月15日の覚書で「大東亜戦争」の呼称を禁じた。が、サンフランシスコ平和条約に伴う日本の主権回復で失効した。今、太平洋戦争の使用例が多いからといって、大東亜戦争の使用を問題視するのはあまりに狭量で自虐的だ。
 概要、こう述べています。
 「太平洋戦争」「大東亜戦争」、呼称はどちらでも良いと思います。真珠湾攻撃を担当した海軍は「太平洋戦争」を主張していましたし、「大東亜戦争」ではそれこそ対米戦争であることが伝わりません。
 「大東亜共栄圏」、つまり植民地を解放するための戦争だからだ、という考えもあるでしょうが、防衛研究所の庄司潤一郎先生の考察によれば、そもそも戦争の呼称も戦争目的を巡る混迷が存在していた、と言います。
 戦後のGHQが言い出した「太平洋戦争」を広めたのはマルクス主義歴史学者が中心であり、逆に知日家で知られるドナルド・キーンは「大東亜戦争の使用は戦争の肯定・支持を意味するものではない」と言っています。
 いずれにせよ文脈を無視して「聖戦思想」だの「侵略を正当化している」などとは到底、陸自のXの文を読んでも明らかです。産経の言う通り、これは「イチャモン」としか言えないレベルの話です。政府の統一見解もないのに、教科書で太平洋戦争の方が汎用的に使われているからと言って「大東亜戦争呼称はけしからん」というのは短絡的に過ぎますし、まさに「言葉狩り」だとしか思えません。
 なおGHQは「英霊」も使ってはいけない、と言っていました。そうであれば、そちらの問題にしなければいけないのではないでしょうか?

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