Published On Aug 26, 2022
❏不定期更新[S bar] 番外編
2022年8月24日(水)
山形県山形市 洗心庵にて行った独奏コンサート。
ここでの「篠笛格付けチェック」のコーナーが来場者の間で物議を醸したので、その様子をお届けします。
あなたは
本物の「竹製の篠笛」と
2,000円以下の「樹脂製の篠笛」の音色
を聴き分ける事が出来るでしょうか……?
是非イヤホンやヘッドホンで聴いてみて下さい。
まず第一問、七本管の篠笛、竹製と樹脂製のものを聴き比べていただきます。どちらの曲で竹製の篠笛を使用しているでしょうか。
〈演奏曲目〉
七本管
①ロンドンデリーの歌
②Let It Be
第一問正解発表のあと、第二問の2曲です。同様に聴き比べて竹製の篠笛を使用している曲を当てて下さい。
八本管
①ムーンライト伝説
②ルパン三世のテーマ
そして運命の正解発表……
◎樹脂製篠笛とは?
学校教育などの用途に向け樹脂製の安価で扱いやすい篠笛が開発され、今日広く使われています。成形によって作られるため調律も比較的安定しており楽器個体差もほとんど無く、合奏やグループレッスンなどでも使用しやすい点など、優れています。また、割れる等故障の心配もほとんど無く、気軽に洗浄やアルコール消毒等も出来るため、学校備品などとして管理するのにとても有利です。
個人的に感じる難点のひとつ目は、口元の安定感でしょうか。水分でスリップしやすいため、汗をかく環境や長時間の演奏は厳しそうです。切手を貼るなどしても良いかも知れません。(実は管の表面まで漆塗りの特注篠笛も同じ問題はあるように感じますが。)
音色について竹製より管の比重が大きいためか「管が鳴らない」感じは付き纏います。竹製はやはり竹の音がします。樹脂製はなんとなく「筒」を吹いているような感覚があり、ちゃんと録音するとこの音色の特性が聴き取れてしまいます。歌口の形状のためか、音量のコントロールも少し難しく感じます。ppが途切れたり、ffで音色が崩壊しそうな予感があり、あまり大胆な演奏は出来ないような気がします。
樹脂製篠笛で広く使われる七本、八本は割と優秀なのですが、六本の樹脂製篠笛については、少し難点があるように感じています。管が長く重くなるとさらに樹脂製の音色の特性が大きく出る気がします。
初心者は、初めてだからこそ竹製の楽器を手に取って音色と演奏感覚を育てるべき、という点については良く理解できますが、あまり良い状態でない楽器を使うよりは、樹脂製の篠笛を使った方が成長が見込めるような気がします。ただ良くも悪くも均一な性能なので、古典の学習にはあまり向いていないような気がします。
余談ですが、小学校指導で本物の篠笛を使った話。楽器の扱いを通して学ぶ事もあると思い「転がさないように」「机にぶつけないように」と教えていたその授業中、生徒さんのひとりがカツーンと机の脚に笛を当ててしまいました。楽器に支障がある程ではなかったのですが、あっと言うが早いか、その生徒さんは怖くなって泣き出してしまいました。とても申し訳ない気がしました。
撮影機材
iPhone 12 Pro
藤舎推峰(とうしゃ・すいほう)
竜馬四重奏 翠(りょうましじゅうそう すい)
/ toshasuiho
/ toshasuiho
竜馬四重奏(メンバー「翠」)として2016年ポニーキャニオンよりデビュー
http://ryoma-quartet.com/
竜馬四重奏MV「YAMATO」公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=IHPy2...
#篠笛 #和楽器 #樹脂製